和歌山が誇る新しい和牛ブランド

紀州和華牛の定義

  1. 飼養期間の最も長い場所が和歌山県であり、紀州和華牛協議会が指定する飼養方法により肥育した、協議会会員が所有する23ヵ月齢以上の黒毛和種去勢牛及び未経産雌牛から生産された枝肉であること。
  2. 1.の枝肉は、和歌山県内の食品製造副産物を含むエコフィード(食品循環資源利用飼料)を給与した牛から生産されたものであること。
    ※2024年現在、エコフィード給与割合は繁殖期間で100%、肥育期間で60%であり、SDGsに大きく貢献しています。

「紀州和華牛」、コンセプトは「既存概念」からの脱却

これまで黒毛和種の品種改良は“よりきれいな霜降り、サシの入ったお肉”を目指して弛まぬ開発を全国各地で続けてきました。今では世界的にも認められ素晴らしい評価を得るに至っております。

しかしながらその一方で、“やわらかくて美味しいけど、脂が強すぎて、あんまり食べられない”といったお声が最近ささやかれることは多くなってきてはいないでしょうか?

そのようなお肉を生産することは可能です。でも中々それができない理由があるのです。

現在の黒毛和牛の評価や流通体制においては生産者側にとって、“よりきれいな霜降り、サシの入ったお肉”を目指すことが一番収入を増やす方法です。逆にそれを優先しない黒毛和種の生産は収入を下げることになり、参入するメリットがないのです。

紀州和華牛も”きれいな霜降り、サシの入ったお肉”を生産できます。しかし、優先順位はあくまで”脂のくどさを軽減した口溶け良い脂と赤身の融合”が第一。 特に脂の強いサーロインやリブロースなどのロース系では、その違いがよりくっきりと現れます。普段から和牛脂をくどく感じられており、黒毛和牛にそういう先入観をお持ちの方でも実際に食べ比べて頂くと“これなら何枚でもいける”といったお声を多く頂いております。

既存の枠組みから外れた和牛肉を継続的に生産していくには、生産から卸、そして小売、外食、(いわゆる川上から川下)に至るまで、それぞれの立場の諸事情をくみ取りながら生産体制を協議していかなければなりません。

その“消費者の潜在的なニーズのある、霜降りより脂のさらさら感と赤身の旨さの融合を最優先した黒毛和牛の生産をしよう”と有志が集まり結成したのが「紀州和華牛協議会」。 そこには、“消費者の潜在ニーズに応えた和牛肉生産”、それを推進していく為の“それぞれの立場の利益のみを追求しない、川上から川下までの総合的な発展を優先した協議会運営”、そしてその先には“地域環境負荷の軽減”、そして“食料自給率の改善に貢献”の一助に繋がればというメンバー全員の熱い思いが存在しております。

食されたことの無い方は、ぜひとも同じ部位、同じ霜降程度の他の黒毛和牛と食べ比べをして頂き、この「紀州和華牛」の目指す味の方向性をご理解頂けますと幸いです。